卒業式における「日の丸・君が代」不当処分に抗議する声明
卒業式における「日の丸・君が代」不当処分に抗議する声明
3月28日、東京都教育委員会(都教委)は定例会を開催し、卒業式での
「君が代」斉唱時の不起立・退席などを理由に20名の教職員の懲戒処分を
決定し、本日3月31日、該当者に対する処分発令を強行した。
内訳:
小中学校・区立養護学校:3名<減給10分の1・1月1名、戒告2名>
障害児学校:2名<停職6月2名>。
高校:15名<減給10分の1・6月2名、減給10分の1・1月6名、戒告7名>
2003年10.23通達以来、今日までの延べ388名という前代未聞の
大量処分(裏面参照)に続く本日の不当な処分の強行は、職務命令を
根拠に処分を振りかざして、教職員・生徒に「日の丸・君が代」を強制する
教育破壊の暴挙である。私たちは、この暴挙に満身の怒りを込めて抗議し、
不当処分の撤回を求めるものである。
該当者のうち5名は、都教委の「事情聴取」に際して、弁護士立会いを要求
したにも拘わらず、都教委は「教育委員会の裁量」という理由でこれを拒否し、
「事情聴取」も行わないで処分を発令した。都教委は、十分な「調査」も行わず、
処分発令を急いでいる。まさに、「見せしめ・恫喝」以外のなにものでもない。
今回の処分は、2003年10・23通達とそれに基づく校長の職務命令は、
「思想及び良心の自由」(憲法19条)を侵害し、「教育の不当な支配」(改定
前教育基本法第10条)にあたり、「重大かつ明白な瑕疵がある」ので、
「『君が代』の起立・斉唱、ピアノ伴奏の義務なし」「いかなる処分もしては
ならない」と判じた2006年9月21日の東京地裁民事36部の判決(予防
訴訟判決)に真向から反する許し難いものである。
東京都教育委員会は、これまでの教育行政を改めることなく、高裁に
控訴していることを理由に、地裁の判決を全く無視して、「職務命令」を出す
よう各校長を指導し、全ての都立学校の卒業式で例外なく各校長が「職務
命令」を出し続けている。
また、今回処分された教員のうち2名は一旦合格した再雇用職員などの
任用を取り消され、別の1名は4年前の処分(04年3月卒業式)を理由に
非常勤教員の採用を拒否されている。これらは、本年2月7日の嘱託
不採用事件について「東京都の裁量権逸脱・濫用」「不法行為」と判示した
東京地裁判決(民事19部中西裁判長)に背くものであり、断じて認めること
はできない。
今私たちは、東京都・東京都教委を被告として、東京地裁民事19部で
10・23通達関連の処分取消請求訴訟(略称:東京「君が代」裁判)を争って
いる。1次訴訟(2007年2月9日提訴)の原告は173名、2次訴訟(2007年
9月21日提訴)の原告は67名で、原告総数は延べ240名に達している。
また、06年周年行事・07年3月卒業式・4月入学式の処分取消を求める
東京都人事委員会審理は未だ継続中であり、公開口頭審理も行われていない。
かくして、都教委は、裁判の進行はもとより、公務員の身分の救済制度として
存在する人事委員会制度上の手続き・進行をも一切無視して10.23通達
以来重ねての処分を乱発し、ひたすら大量処分の
「実績」作りに狂奔しているのである。
今回の卒業式で処分された該当者の大半は、被処分者の会弁護団
(尾山宏弁護団長)を代理人として、4月中に東京都人事委員会に
不服審査請求を行い、不当処分取消・撤回を求めて最後まで闘い抜く
決意である。
今や学校現場は、10・23通達や2006年4月13日の「教職員の
意向を挙手等で確認するような学校運営は許されない」という「学校
運営の適正化通知」などで、がんじがらめにされ、教職員が「物も
言えない」雰囲気が蔓延しようとしている。しかし、「最後の授業」たる
卒業式を「強制」と「処分」の場へと落とし込める都教委の非常識な
暴圧に対して生徒・保護者・市民の批判が広がり、教員として「譲
れない思い」を貫いた私たちの行動にも多くの支援・激励が寄せら
れている。
私たちは、都教委の「暴走」にストップをかけ、自由で民主的な教育を
学校現場に甦らせ、生徒が主人公の卒業式・入学式を取り戻すため、
生徒・保護者・市民と共に手を携え、「日の丸・君が代」強制に反対し、
都教委の暴圧に屈せず、不当処分撤回まで闘い抜くものである。
何よりもこの国を「戦争をする国」にさせず、「教え子を再び戦場に
送らない」ために!
2008年3月31日
「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会・
東京「君が代」裁判原告団
共同代表 清川 久基(前足立西高校) 星野 直之(前保谷高校)
連絡先:事務局長 近藤 徹(葛西南高校)
弁護団事務局:加藤 文也弁護士(東京中央法律事務所)
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